2010年 07月 16日
草の竪琴 トルーマン・カポーティ/著 大澤 薫/翻訳 新潮文庫 とても好きな映画、 エドワード・ファーロング主演の「グラスハープ-草の竪琴」の原作です。 何度も読んでいるので、本を開けば、 9月のインディアン草の茂る草原は茜色に染まり、炎のような深紅の影がゆるやかにうねり、秋風に乾いた草の葉をかきならし、吐息にも似た旋律、さまざまな声の草の竪琴の音の響き。 そんな風景が、草の音が心にホワっと浮かんでくるようです。 「筏を思わせるムクロジの木の上の家。」 「小屋は船、そして床に腰をおろすとき、それはさまざまな夢の国のおぼろな海岸線を渡航しているのだ」 ↑の文章でインディアン草の上を渡航するムクロジの木の家の小舟で、清涼感に包まれる身体と、幸福・不安・恐怖・達成を感じる心を想像し、 「そして、彼女の存在を心にとめたそのとき、僕は恋におちてしまったのだ。」 この文章で私の心はホンワリです。 恋愛ではないけれど恋、何かに恋におちる瞬間てありますね。 日常の中の何か...もちろん人であったりもするけれど、そんな恋心を思い出させてくれる1冊、映画も好きだけれど、本もとても好きな1冊になりました。 ・ ・ 本の隣にあるのは、物語に出てくるムクロジの木の種子です。 散歩中に見つけて拾ってきました。 黒い種子は半透明の緑色の皮で覆われていて、緑の銀杏のような実です。 半透明の緑色の皮にはサニポンが含まれていて、石鹸のように泡立ちます。 種子は昔、羽根つきの黒い玉に使われていました。 ムクロジ 無患子 ← 「子が患わ無い」の意味でお守りにもされているそうです。
by sa-fufu
| 2010-07-16 00:13
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